【ダニエル書】① 人類歴史を導かれる神様のみ手 ~終わりの時まで秘められた預言~

ダニエル書
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序論 ダニエル書の研究を始めるにあたって 

 ダニエルの預言研究を始めることになった皆さんは、今、皆さんの生涯で最も驚くべき感激的な預言と、その歴史的成就を発見することになる入口にきています。聖書には終末時代に関するとても明確な預言を扱っている二つの預言書があります。新約聖書では『ヨハネの黙示録』、旧約聖書では『ダニエル書』がそれです。この二つの預言書は、互いに深くつながっているので、両方を同時に参照しながら研究すべきです。

ところで、このダニエル書は、ずっと以前から多くの教育者たちや宗教指導者たち、科学者たちに愛読されてきました。アメリカ大陸を発見したコロンブスは、ダニエル書を熱心に研究した人でしたし、万有引力を発見した科学者アイザック・ニュートンもどんなにこの本を好きだったかわかりません。アメリカが生んだ最初の詩人であったアン・ブラッドストリート(Ann Bradstreet)もこの書を深く研究しましたし、イェール大学の初代総長であったティモシー・ドワイト(Timothy Dwight)博士も、このダニエル書を研究する学徒の一人でした。ダニエル書に書かれている預言は、人間の長い歴史を扱っており、さらにこの預言の内容は、現在、私たちが生きているこの時代にまで及んでいる驚くべき預言で満ちています。

ある人たちは、なぜ私たちがおよそ2500年前に書かれた言葉を研究する必要があるのかと質問するかもしれません。なぜなら、多くの人は、自分たちに直接関係のある最新の情報を知りたいと望んでいるからです。情報が洪水のようにあふれている現代社会で、なぜそれほど昔に書かれた言葉を研究するのかと尋ねる人たちに、ダニエル書は、今日を生きている私たちにとって、最も必要で重要な本だという事実をお伝えしたいと思います。読者の皆さんは、この研究を進めていかれる中で、その意味をはっきりと理解されることでしょう。

ところで、ダニエルの預言研究をどこから始めたらよいのでしょうか? 皆さんは、本を読む時に、その本の最後の章から読んでみたことがありますか? ある人は本を読む時、必ず最後の章から読みます。最後が興味深くなければ、そのような結論に導く内容を読む必要がないので読まないというのです。筆者も時々そのようにする場合があります。このダニエルの預言研究も、最後の章である12章から先に読んでみることにしましょう。そして、本当にこの預言書を研究する価値があるのか、一緒に探ってみることにしましょう。

ダニエル書の結論

ダニエル書が聖書のどのあたりにあるのか、よくわからない方がおられるかもしれません。ダニエル書はエゼキエル書とホセア書の間にあり、全部で12章からなっています。最初にこのダニエル書の最後の章である12章の中から五つの節を読んでみましょう。そこから私たちは、ダニエル書が伝えようとしている、最も中心的な言葉を発見することができます。

①ダニエル書12:4 「ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」。

②ダニエル書12:6 「わたしは、かの亜麻布を着て川の水の上にいる人にむかって言った、『この異常なできごとは、いつになって終るでしょうか』と」。

③ダニエル書12:8 「わたしはこれを聞いたけれども悟れなかった。わたしは言った、『わが主よ、これらの事の結末はどんなでしょうか』」。

④ダニエル書12:9 「彼は言った、『ダニエルよ、あなたの道を行きなさい。この言葉は終りの時まで秘し、かつ封じておかれます』」。

⑤ダニエル書12:13 「『しかし、終りまであなたの道を行きなさい。あなたは休みに入り、定められた日の終りに立って、あなたの分を受けるでしょう』」。

この五つの節に共通している中心的な用語は何でしたか? そうです。「終りの時」です。ダニエル書は、今から2500年前に書かれたものですが、まさにこの世界の終わりの時のために書き記された預言書なのです。ダニエル書12:4をもう一度読んでみましょう。

「ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」。

天使がダニエルにこの書の言葉の意味を秘し、封じておきなさい(閉じておきなさい)と言ったのですが、いつまで封じておきなさいと言ったのでしょうか?「多くの者は、あちこちと探り調べ」「終わりの時」が来るまで封じておきなさいと言いました。

私たちが生きているこの時代を見てください。地球が創造されて以来数千年もの間、人々は、馬に乗るのが一番早い移動手段だったのです。ところが、この100年ほど前から、この世が終末時代を迎えるとすぐに、人々がものすごいスピードで行き来する時代となりました。馬に乗って移動していた時代が過ぎ、ジェット機に乗って世界を旅行する驚くべき時代に入ったのです。

終わりの時になるとこのダニエル書を「多くの者は、あちこちと探り調べ」るようになり、熱心な研究の結果、預言の意味が正確に理解されるようになるというのです。また、長い間封印されていたこの書の預言が、歴史が進む中で一つ一つ具体的に成就していくことによって、はっきりと理解されていくのです。

さらにまた、「知識が増すでしょう」と言われています。この終わりの時代に、多くの人がこの書を詳しく調べるようになり、特別にダニエル書を理解する知識が増えるようになるのです。

終わりに向かって走っている地球

物事を深く考える人であるならだれでも、現在私たちが生きているこの時代は、大変動の直前にきているということを感じています。全世界の大都市は、犯罪の巣窟になっています。特にアメリカの状況はとても深刻です。また、多くの国々が、そして様々な民族が、戦争の一歩手前にきている状況を見ることができます。アフリカの国々の民族紛争、中東の紛争などは大きな危機がいつ来てもおかしくないような状況にあります。イスラエルとパレスチナの紛争は、今後イスラエルとアラブ民族との間の全面戦争に拡大することになるのでしょうか?さらにまた北朝鮮の核の問題は、アメリカ政府との緊張関係の中で今後どのように進行していくのか予断を許さない状況です。アメリカはイラクばかりでなくイランとも一触即発の状況にあり、さらには全てのアラブ圏とキリスト教界の対立へと問題が広がっています。

この世界の歴史は、果たして今後どのように進んで行くのでしょうか? 地震や津波、干ばつや飢饉、洪水、森林火災と絶え間なく増加していく自然災害は世界を緊張させています。しかし、現在最も急を要する問題は、テロリストなどとの戦争です。もし彼らが旅行かばんサイズの核爆弾をアメリカの大都市で一度爆発させたら、果たして世界各国はどのような対応をするでしょうか?今この地上は、神様のさばきがなくても、自ら自滅することができる恐るべき核爆弾を多数所有しています。

かつて核戦争の危機的状況下でジョン・F ・ケネディ大統領は、「我々は、共にこの世界を生かすのか、あるいは共にこの世界を火で燃やすのか、二つのうちどちらかだ」と言いました。この地上の歴史で、今日のような世界を巻き込んだ危機的状況は過去にありませんでした。もはや、神様が人間の歴史に直接介入なさる時がきたのです。

果たしてこの世界の未来はどうなっていくのでしょうか? この地上の歴史はいつ、どのようにして「終わりの時」を迎えるのでしょうか? また私たちの最終的な運命は、どのように締めくくられるのでしょうか? 

まさにこのような重要な預言を扱っているのがダニエル書なのです。この地上の歴史の流れだけでなく、この地上がどのように最終局面を迎えることになるのかを預言しているのがダニエル書です。

イエス・キリストご自身も、このダニエル書の重要性を次のように認められました。

「預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべ者が、聖なる場所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)、そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げよ」

(マタイ24:15,16)。

イエス様が引用されたダニエルの預言は、ローマがエルサレムを包囲し滅亡させたA.D.70年に成就しました。イエス様はダニエルを信頼できる預言者として指し示されました。そして、その言葉を読んで悟りなさいと警告されました。したがって、キリスト教徒たちは、ダニエル書にあるこの驚くべき預言について理解しなければなりません。

さらにもう一つ、実はこのダニエル書には1989年に起きた共産圏の没落についての預言も書き記されているのです。興味深くありませんか?

どの時代よりもその必要性がさらに切実になった、この重要な預言を一緒に研究してみることにしましょう。

ダニエル書に出てくる地上の歴史

ダニエル書はまるで道路標識のようです。ダニエル書に記された道路標識は、世界を支配した大帝国の出現と滅亡を預言しています。この世界の政治的な移り変わりを正確に、前もって述べてくれています。そしてこの預言の中には、現在のヨーロッパの状況が、これからどのようになるのかについても言及されており、なぜ、第二次世界大戦、ユーロ(欧州連合)を通してもヨーロッパが一つの国に統合されないのか、その理由を示しています。このような聖書の預言は、この地上の歴史が人間の利害や権力や欲望によって動かされているのではなく、神様の摂理がその背後に、あるいはそれを通して働いていることを示しているのです。

ダニエル書は私たちに、この地上歴史の最後の時が、どれほど迫って来ているかを教え、私たちがそれに対してどのように準備しなければならないのかを啓示しています。

この書に記録された出来事は、終末時代に生きる私たちに対して特に意味があります。ダニエルがししの穴に投げ入れられた実際の事件は、終わりの時代に真実な神様の民を殺そうとする命令が出されるようになることが前もって示されているのです。私たちの信仰が、試練を受ける時がやってくることが予告されています。その時に私たちはどうすればいいでしょうか? どのように祈らなければならないでしょうか? 私たちはどのようにして、ダニエルのように神様の力を受けて勝利することができるのでしょうか? このような全ての問題を理解するために、ダニエルが味わった経験を研究する必要があります。ですから、ダニエル書は終わりの時に起きる事件を私たちに預言しているだけではなく、終わりの時のために準備することを助けてくれる預言書でもあるのです。

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