【聖句から学ぶ聖書】第39課 4大帝国の興亡

聖句から学ぶ聖書
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第39課 4大帝国の興亡

≪ダニエルの二回目の夢≫

1.ダニエルの二回目の夢はいつ与えられましたか?

バビロンの王ベルシャザルの元年に、ダニエルは床にあって夢を見、また脳中に幻を得たので、彼はその夢をしるして、その事の大意を述べた。

ダニエル書7:1

2.この夢はダニエルにどのような影響を及ぼしましたか?

そこで、われダニエル、わがうちなる霊は憂え、わが脳中の幻は、わたしを悩ましたので-

ダニエル書7:15

ノート: ダニエルの夢が彼に及ぼした影響は、ネブカデネザルの夢が彼に及ぼした影響と類似しています。それが彼を悩ませました。(ダニエル書2:1参照)

3.ダニエルは夢の中で彼の側に立っている人に何を聞きましたか?

わたしは、そこに立っている者のひとりに近寄って、このすべての事の真意を尋ねた。するとその者は、わたしにこの事の解き明かしを告げ知らせた。

ダニエル書7:16 

4.ダニエルの幻はどのようなものでしたか?

ダニエルは述べて言った、「わたしは夜の幻のうちに見た。見よ、天の四方からの風が大海をかきたてると、四つの大きな獣が海からあがってきた。その形は、おのおの異なり…」

ダニエル書7:2~3

≪獣の象徴の意味≫

1.この四つの獣は何を表わしましたか?

この四つの大きな獣は、地に起らんとする四人の王である。

ダニエル書7:17

ノート: ダニエル2章44節、7章23節と24節で説明されているように獣は国々を意味します。この預言でその二つの言葉は交互に使用されています。

2.象徴的な言葉として風は何を表わしますか?

闘争、戦争、騒乱(エレミヤ書25:31~33;49:36,37参照)

ノート: 風が闘争や戦争を表わすということは幻自体を通しても明白です。風が吹き荒れるように国々は繁栄し滅びるでしょう。

3.預言で水は何を象徴しますか?

御使はまた、わたしに言った、「あなたの見た水、すなわち、淫婦のすわっている所は、あらゆる民族、群衆、国民、国語である」。

ヨハネの黙示録17:15

ノート: ダニエル2章では神様の永遠の王国が樹立されるに先立って、地上の国の興亡について単純に政治的な概要が像の姿で象徴されました。7章では世界帝国の盛衰が天の観点から野獣の姿として表現されました。特に最後の獣はいと高き者に敵対しその聖徒を迫害すると言われました。したがって象徴の変化はこれらの国々の別の特徴を表わすために使われたのです。

4.第一の獣はどのような姿でしたか?

第一のものは、ししのようで、わしの翼をもっていたが、わたしが見ていると、その翼は抜きとられ、また地から起されて、人のように二本の足で立たせられ、かつ人の心が与えられた。

ダニエル書7:4

ノート: この大きな四つの獣のうち第1のものはししのようだったと言われています。これは、ネブカデネザルの夢で見た金の頭のようにバビロンの王を象徴しています。獣の王であるししのように、金は金属の中でかしらに該当します。わしの翼は疑う余地なくB.C.605年からB.C.562年まで統治したネブカデネザルがバビロンの権勢の頂上にのぼったその迅速さを表わします。(B.C.605年は彼の即位の年であり、その次の年は彼の執務の初年とみなします)。

5.第二の国は何によって象徴されましたか?

見よ、第二の獣は熊のようであった。これはそのからだの一方をあげ、その口の歯の間に、三本の肋骨をくわえていたが、これに向かって「起きあがって、多くの肉を食らえ」と言う声があった。

ダニエル書7:5

ノート: 「ここで熊の象徴として現れたのはメデア・ペルシャ帝国でした。メデア・ペルシャはその残忍性と血に対する渇望のため最も貪欲で残忍な動物である熊にたとえられます」。-Adam Clarre,Commentary,on Daniel 7:5.

このメデア・ペルシャ帝国はB.C.538年から始まります。

6.第三の世界帝国は何によって象徴されましたか?

その後わたしが見たのは、ひょうのような獣で、その背には鳥の翼が四つあった。またこの獣には四つの頭があり、主権が与えられた。

ダニエル書7:6

ノート: ししの背にあったわしの翼はバビロン帝国の迅速な機動力を表し(ハバクク1:6~8)、ひょうの背についていた四つの翼はギリシャ帝国の類例のない素早い機動力を表しています。アレキサンダーの軍事行動についての研究はこれが歴史的に事実であることを立証しています。「紀元前334年春にアレキサンダーは約3万5千名のマケドニアとギリシャの軍隊の先頭に立って小アジアに渡って行った。4年後、彼はキュロス大王が創設したペルシャを倒し、征服者の権利どおり自分をペルシャの統治者として立った。また次の4年ではイラン高原の部族やインダス渓谷の別の民族を征服するのに過ごした。このわずか8年間にアレキサンダーは2千万以上の人々を支配し、3百万平方キロ以上の地域を併合させた。彼は驚くべき迅速さで世界を征服した。それは、彼の思い通りに動く小さな軍隊だけでなく、もっと卓越した偉業をなし遂げたのは、大部分がマケドニア軍隊のずば抜けた組織力と彼の父王フィリッポスの軍事教練を通して訓練を受けたアレキサンダーの司令官たちの卓越性と、人を扱う指導者としてのその完璧な素質によったのである」-A.E.Boak,Albert Hyma,and Preston Slosson,The Growth of European Civilization(1938),vol.1,pp.59,60.

「その獣は同様に四個の頭を持っていた」。ギリシャ帝国が統一性を維持していたのはアレキサンダーが生きていた短い期間だけでした。彼はB.C.323年に死にました。彼の輝かしい経歴が終結した後、B.C.301年に帝国は彼の中心的な四人の将軍の間で分割されました。

7.第四の国はどのように表現されましたか?

その後わたしが夜の幻のうちに見た第四の獣は、恐ろしい、ものすごい、非常に強いもので、大きな鉄の歯があり、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは、その前に出たすべての獣と違って、十の角を持っていた。

ダニエル書7:7

ノート: 「これがローマ帝国であることは広く認められている。それは恐ろしく、ものすごく強かったのであり・・・周辺の国々を併合して全世界を支配する帝国となった」。—Adam Clarke,Commentary,on Daniel 7:7.

世界の支配権はB.C.168年のピドナ(Pydna)の戦いによりギリシャからローマに移ったと言えます。「ついに168年、ローマはピドナの戦いで(マケドニアの)ペルセウスを退け、完全な勝利を得た。ここにマケドニア王国は終末を告げた。マケドニアを始末した後、ローマは彼らの同盟国に補償し、彼らの敵を処罰する目的でほかのギリシャの国々に注意を向けた。・・・その後明らかにローマは東地中海の実質的な支配者となり、ローマの同盟国や協力者たちは地域の自治権だけを享受し、ローマの命令に服従するように要求された。」—A.E.R.Boak,A History of Rome to 565 A.D.(1938 ed.),P.109.

8.十の角は何を表わしましたか?

十の角はこの国から起る十人の王である。

ダニエル書7:24

ノート: ローマ帝国はA.D.476年文字通り十の国に分裂しました。その国は、ロンバルド(Lombards)、 ブルガンディア(Burgundian)、オストロゴス(Ostrogos)、ビジゴス(Visigoths)、フランク(Franks)バンダル(Vandals)、スウェービーSuevi)、アレマニー(Alamanni)、アングロ・サクソン(Anglo- Saxons)、ヘルリー(Heruli)の十カ国です。

9.ダニエルはこれらの角にどのような変化が生じることを見ましたか?

わたしが、その角を注意して見ていると、その中に、また一つの小さい角が出てきたが、この小さい角のために、さきの角のうち三つがその根から抜け落ちた。見よ、この小さい角には、人の目のような目があり、また大きな事を語る口があった。

ダニエル書7:8

ノート: ダニエル7章8節の「小さい角」は異教ローマを象徴します。抜け落ちた三つの角は完全に滅亡した三つの国を象徴します。この三つの国は異教ローマが政治勢力として浮上することを妨げる障害物でした。その国は、ヘルりー、バンダル、オストロゴスでした。この三つの国は全てカトリックにとって最も恐るべき競争相手だったアリウス派を支持していました。

10.ダニエルが持っていた第四の獣に対する疑問、特に小さい角の重要な特徴は何ですか?

そこでわたしは、さらに第四の獣の真意を知ろうとした。その獣は他の獣と異なって、はなはだ恐ろしく、その歯は鉄、そのつめは青銅であって、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。この獣の頭には、十の角があったが、そのほかに一つの角が出てきたので、この角のために、三つの角が抜け落ちた。この角には目があり、また大きな事を語る口があって、その形は、その同類のものよりも大きく見えた。

ダニエル書7:19,20

ノート: ダニエル7章の最初の三つの獣は、その特徴をほかの動物にたとえることができましたが、この残酷な第四の獣の恐ろしさを表現することができる生き物を自然界から探すことはできませんでした。この獣がダニエル2章の大きな像の鉄でできた足として描写されるものと同じ勢力を表わすことは疑いの余地がありません。ダニエルがこの特別な獣に特に関心を持った理由はその姿と行動がほかのものとは大きく違ったからです。「わたしはさらに第四の獣の真意を知ろうとした」という彼の言葉は歴史の中の大きな迫害勢力に注意を傾けます。

11.小さい角はいつ起こりますか?

十の角はこの国から起る十人の王である。その後にまたひとりの王が起る。彼は先の者と異なり、かつ、その三人の王を倒す。

ダニエル書7:24

ノート: すでに見たとおり十の角はローマ、すなわち第四の国が十の国に分裂した時に起こりました。この分裂はA.D.476年に起きました。その後に起きる「一人の王」は三つの角であるヘルリー、バンダル、オストロゴスが倒れる前に起こるもので、小さい角と呼ばれるこの勢力は教皇権と言うことができます。

「政治的ローマの廃墟から偉大な道徳的帝国がローマ教会という『巨大な形態』として起こった」—A.C.Flick,The Rise of the Mediaeval Church(New York:G.P.Putnam’s Sons,1909),p.150.

「ローマ帝国下にあって教皇たちは現世の権力を持つことができなかった。しかしローマ帝国が分裂し、その座を様々な異民族が受け継いだ時、ローマの教会は宗教的な問題で国々の干渉を受けないようになっただけでなく、世俗的な問題も支配するようになった」—Carl Conard Eckhardt,The Papacy and World-Affairs(Chicago:University of Chicago Press,1937,p.1.9)

小さい角の王国の場所と時、その特性と役割についての研究は次に続きます。

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